Mass-Core Chartについて

　CDレビューの右上に小さく表示されている３×３の小片(Tip)を、亭主はMass-Core Chartと呼んでいる。 Mass-Core Chartは、紹介しているアルバムの全体の傾向を、９つのエリアと２種類の色で無理矢理説明したものだ。

　例えば、３×３の四角の上段は、そのアルバムが激しいアルバム、明るいアルバム、テンションの高いアルバムであることを示している。 ロックのアルバムや明るい曲調のポップスなどがこれに当たる。 逆に下段は、そのアルバムが穏やかなアルバム、暗いアルバム、テンションの低いアルバムであることを示していて、たとえばアンビエントやダブ、室内楽などはここに分類されるだろう。 ただ、明るい/暗いという判断は人それぞれであるし、その時の気分気分によっても変わってくるだろうから、あくまでも個人的な基準であることを今一度念押ししておきたい。

　また、３×３の四角の左列は、そのアルバムが実験的であったり、新しい趣向を積極的に取り入れていたり、あるいは最近現れた新しいジャンルの音楽であることを示している。 「新しい＝良い」ことではもちろんないのだけれど、亭主は「新しい」音楽を好む傾向があって、このジャンルのアルバムは結構多い。 一方四角の右列は、そのアルバムが伝統的なフォーマットで作られていることを示していて、たとえば演歌や歌謡曲、クラシック音楽などは右側に位置づけることが多い。 そうそう、政治的・思想的な「左」「右」に通じる部分もあるので、左右の傾向がわからなくなったときは政治的・思想的なものを想像してみると良いかもしれない。

　そして、３×３の四角の中段、中列は、明るい/暗い、左/右という判断の付きにくいニュートラルなアルバム。 ただ、このニュートラルというのが難しくて、亭主のニュートラルが世間一般のニュートラルであるとは限らない。 このチャートに限っては、明るいか暗いか、左か右かの判断に迷っていたり、あるいはそれに関する積極的なオピニオンがない場合にニュートラルと評価したと、思っていただけると良いだろう。

　黄金の小片「」または水色の小片「」は、アルバムの傾向が３×３の四角のどこに位置しているかを示す一方で、 そのアルバムが世間に広く認知されているか、人気があるかを示している。 「」はメジャーアーティストの場合が多く、大衆（mass）に広く聴かれ、受け入れられていることを意味する。 一方「」はインディーズやマイナーアーティストの場合が多く、一部のファン（core）の支持が厚かったり、そもそもマイナーすぎて誰も聴いていないだろうアルバムである。 これもどちらが良いかはあまり問題ではないし、亭主のmass/coreの基準が今一つマイナー指向なので基準というより「そういうもの」と思っていただけるのがよさそう。

　ともあれ、この基準で評価してずいぶん経つ。評価の枚数が増えるにつれ、亭主の評価基準も少しは定まってきているのではないかと自負している。 ぜひ参考にしていただきたい。